こんにちはGoroです。2025年の推しモデルをビギナーの皆さんは気になっているでしょう。筆者の推しモデルは、異なる2つのタイムゾーンを表示でき、海外旅行に欠かせないGMTです。なぜスマホで簡単に海外の時間がわかる時代に、「GMTがお薦めの理由」は?、また、もし選ぶとしたら「どのGMTモデルがおすすめか」、詳しく紹介していきます。
GMTとは?なぜ腕時計に多く採用されたのか?
2つの異なるタイムゾーンを表示できる腕時計のGMT機能は、ロレックスがパンアメリカン航空のパイロット向け用の時計として1954年に発表したGMTマスターが最初です。GMTは、Greenwich Mean Timeと頭3文字を現代の腕時計界では略して表記しています。
Greenwichはイギリスのロンドン南部のグリニッジ区に属していて、ロンドン中心部からおよそ8kmに位置する天文台です。現在では観光地としても有名で、自然豊かな環境を備えたエリアになります。1675年にチャールズ2世が航海や地図作成を正確に行うための天文学研究拠点として設立されました。航海術進歩と経度の測定のため、正確な星の位置を記録し時間を測定する研究がグリニッジ天文台で行われていたのです。
1884年にアメリカで開催された国際子午線会議で、グリニッジ天文台の子午線が0度として正式に「世界の子午線」に決定されて、現代に至ります。
ロレックスは1954年に発表した、「GMTマスター」とグリニッジ天文台とその子午線の時刻が、世界のタイムゾーンの基準として自社の製品名に採用して以降GMTという言葉は異なる時間帯を示す腕時計界の業界用語にまで浸透させて、現代に至ります。優れたネーミングも去ることながら、機械的な構造がシンプルな事も見逃せません。
それ以前にあった異なるタイムゾーンを示す時計としては、ワールドタイムという時計もあります。現代でもパテックフィリップやヴァシュロン・コンスタンタンで採用されている手法です。難点としては、ムーブメントが複雑過ぎることがあげられます。一方のGMT時計は、もう一つ針を加えるだけのシンプルな機械構造であることが特徴です。
そのため、コストも抑えて手の届きやすい価格帯に設定することができます。ロレックスがGMTマスターを発表したのは、技術的に簡単だった事でパイロットたちが使用する職業用時計としては、メンテナンスも容易で耐久性が高いと考えた可能性が考えられます。後に多くのブランドで、このGMT針という手法を採用したことが、その証です。
パイロットが使用する特殊時計とは言っても、彼らが飛行中に直感的に時刻を把握でき、狭く薄暗いコクピット室内でも時刻調整が容易であった事も忘れてはいけません。
筆者は一度だけ幼少期に実際のコクピットに飛行中入った事がありました。非常に狭く3人の操縦士が室内で操作しており、想像していた空間とは全く違っていました。手を伸ばすことも難しく、1970年代のコクピット内は現代のコクピットよりかなり多く、計器類に囲まれていました。
狭い上に計器類が多く、時計を見るのもやっとというコクピット内では、シンプルに操作でき、視線をダイアルに落とすだけで時間がわかる、優れた視認性が必要だった事が理解できます。
ワールドタイムは確かに優れた時計機構ですが、実用的かと言われると疑問が沸くのも事実です。所有している人たちからは、「視認性が良くない」という声をよく聞きます。多くの乗客の命を預かるパイロットが使う時計ではないかも知れません。
ローズラインとGMTの関係性
パリを訪れた方はご存知かも知れませんが、パリにローズラインという子午線があります。実はかつて子午線はパリを通過していた時期がありました。
映画「ダヴィンチコード」で出てきたローズラインです。前述した、1884年の国際子午線会議以前の子午線は、パリのローズラインでした。グリニッジが世界の標準子午線に落ち着いた理由は、グリニッジ天文台で開発されたクロノメーターや航海用時計に使用される計測技術があった事も大きな理由でした。
映画「ダヴィンチコード」では、ローズラインが通るルーブルの地下に聖杯が眠っているというストーリーでした。
ロレックスの人気モデルにも採用されたグリニッジ天文台は、現代では世界の標準時刻の基準としての地位を確かな物にしています。一方のパリ天文台から伸びるローズラインは現代では、神秘的で宗教的な遺産としてパリ市内を南北に走っています。
スマホ全盛でも廃れないGMT時計の魅力とは?
GMT時計の魅力は、ユーザー目線でもシンプルで使いやすい事です。スマホでも世界時計があるので、GMTマスターが始めて発表された1954年よりも各国の時差は便利にわかるようになっています。
スマホの端末としてApple Watchやスマートウォッチがブームになっているように、結局時間を手首の上で確認する手法は、普遍的な行為であることは疑いがありません。もしかしたら、スマートウォッチにも近い将来GMT表示が搭載されたモデルが出る可能性だってあるかも知れません。
旅行中スマホは、常に電池の残量が気になる物です。電源アダプターは空港では取り合いになり、飛行機に乗り込んでもスマホは映画鑑賞や情報収集で、時間確認に使うのは難しい物があります。目的地に着いても、スマホの電池残量を気にしながら行動しなければいけません。そのうち時間確認にスマホを見ると電池がもったいない感覚になります。GMT時計の機械式であれば、電池は一切不要です。
時間さえ合わせれば、海外旅行でこれほど最強のツールはありません。
GMTの便利な活用方法
GMT時計は基本的には、2つの異なるタイムゾーンを知ることができますが、工夫次第では最大3つまでのタイムゾーンを表示させる事も可能です。但しこれはベゼルがあるタイプのモデルで活用できる手法なので、アメリカのように東西に広い国では重宝できます。
具体的には、以下の要領で3つの時間帯を表示できます。
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- 第1のゾーン(ローカルタイム)は通常の時刻をそのまま時計で表示させる。
- 第2ゾーンはGMT針をその地域の時刻に合わせる。
- 第3ゾーンは回転ベゼルを任意の時刻に動かす事で表示できる。
またモデルによっては時刻調整で短針(時針)を単独で動かせるモデルもあります。短針のみ動かせるモデルは、一般的にリュウズを1段引くと短針を単独で動かせる事が特徴です。詳しくは購入時に説明書もしくはメーカーHPを参照してください。
筆者の推しGMT
腕時計上級者の方は、ある程度推しのGMT時計が、あるはずです。しかしビギナーの方はどんなGMT時計を選んだら良いか、絞りきれていないと思います。以下に筆者が最近良いと思ったGMT時計をセレクトしました。ぜひ参考にしてみてください。
ブライトリング クロノマットオートマチックGMT40
2023年の過去記事でも紹介したこのGMTモデルの魅力は、視認性と薄さです。11.2㎜という薄さは旅行の時の快適さを格段にアップさせます。さらに防水性も200Mとプールに入る事も問題ありません。
ブレスレットはブライトリングならではのバンブーブレスレットです。装着感が良く、腕の毛が絡みにくいことで人気があります。世界中を飛び回るアクティブで、体毛の濃さが気になる人には、最適な時計です。
またこのモデルはカラーバリエーションが豊富である事も見逃せません。その中でも今回紹介したグリーン文字盤のモデルは明るい緑で、他の人と被りにくいモデルです。
唯一難点を挙げるとパワーリザーブが短い事になります。しかしこのモデルの正規販売価格792,000円を考えると仕方が無いことかも知れません。
グランドセイコーSBGM221
2017年からのロングセラーモデル、グランドセイコーを代表するGMT時計、SBGM221のデザイナーは現代の名工として表彰された小杉修氏です。このSBGM221は優美な曲線を巧みに組み合わせ、どこからか心を癒させる優しい雰囲気を醸し出しています。
アイボリーのダイアルとブラウンのレザーストラップで、色の相性も極めて良いスタイリッシュな製品です。グランドセイコーのアイデンティティであるバーインデックスの内側にアラビア数字を落とし込みカジュアルになり過ぎる事無く上品な仕上げを施しています。
防水性の低さが、気になりますが、これは飛行機の中での使用に、特化すると問題なく使えます。冷涼な気候のヨーロッパへのフライトでは、多少防水性が低くても重宝できるはずです。
セイコープロスペック SBEJ009メカニカルダイバーズ1968ヘリテージ
2025年年始にフラッと立ち寄ったイオンモール内の時計店のスタッフさんと話し込んだメカニカルダイバーズ1968ヘリテージは、セイコーショップのスタッフさんの間では「009」と呼ぶほどのヒット商品になっているそうです。通常のダイバーズウォッチにGMT機能を組み込んで、厚みを13㎜を切る12.9㎜に仕上げています。またパワーリザーブは72時間と長く複数の時計を持っていてローテーションをしても止まらなく時間調整が必要ありません。
またベゼルにもセラミックベゼルを採用していて、傷がつきにくく耐久性にも優れています。本格的なダイビングにも使用でき、海外旅行にも持っていけるのも嬉しいです。正規店販売価格は218,900円です。
3つのモデルのスペックを一覧にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。(価格は2025年1月14日現在です)
モデル名 | ケース径 | ケース厚み | 防水性 | パワー リザーブ | 販売価格(正規) | |
1 | ブライトリング クロノマットオートマチックGMT40 | 40㎜ | 11.7㎜ | 20気圧 | 42時間 | ¥792,000 |
2 | グランドセイコーSBGM221 | 39.5㎜ | 13.7㎜ | 日常生活用防水 | 72時間 | ¥671,000 |
3 | セイコープロスペック SBEJ009メカニカルダイバーズ1968ヘリテージ | 40㎜ | 12.9㎜ | 20気圧 | 72時間 | ¥218,900 |
まとめ
コロナによる、渡航規制も収束した事でこれから再び海外旅行する機会が増えてくるのは間違いありません。GMT時計はこの機能が無くても、日常生活には支障がでることは無いです。
しかし旅先の時間を見ながら旅行する事は、気分を高揚させます。現地はどんな天気なのか?気温は?太陽は?そんな想いを馳せながら旅する事が旅行の醍醐味です。多くの人は時刻調整は、離陸して航空機のシートについてから調整する方が多いと思います。
シートに深く座り、ゆったりと時間調整が終了すれば、あとは旅に集中できます。ぜひ2025年はGMT腕時計を付けて旅に出ましょう。
参考記事「海外旅行でつけたいワールドタイムとGMT2つの機能の違いは?」