こんにちはGoroです。最近気になる腕時計ブランドはと聞かれたら、僕はゼニスをあげます。ゼニスと言えばこれまではクロノグラフだったのですが、2022年初頭に出た「デファイ・スカイライン」は発売から1年近く経過しても心を惹かれるモデルです。魅力的な理由はどこにあるのか、詳しく紹介します。
デファイ・スカイラインはリバイバルでは無い!
さて発売当時、「デファイ・スカイライン」が出た当時の評判は賛否両論分かれていました。と言うのもあまりにもロイヤルオークに似通っていた事がその理由です。しかし、筆者は初めて見た時、純粋に「デファイ・スカイライン」(以下スカイライン)が持つその美しさに魅了された一人です。ブランドのHPには「大胆なシルエット」とこのモデルを紹介しています。
大胆とゼニスが言う理由はズバリ、八角形のケースに十二角形のベゼルを重ねる事で、どちらにも見せる事ができるからです。この十二角形のベゼルはゼニスによると「ファセットカット」と呼ばれる仕上げによって立体感を増しています。モダンなプロダクトには欠かせない3D要素を盛り込み、見る角度毎に「別な世界」を見せてくれるのが特徴です。そして機械式時計の場合はその内部にも注目しなければいけません。
今回のスカイラインはスタイリッシュな外観以上に内部にも魅力が凝縮されている事が特徴です。まず9時の位置に組み込まれたスモールセコンドは一見するとこれまでもいくつかのブランドで見られた手法になります。しかしゼニスは「革新的なスモールセコンド」を採用しました。通常「60秒で一周する秒針」を「10秒で1周」させるという「思いもよらない機構」を搭載したのです。
この高速回転(振動)を可能にしているのが彼らのレガシー、「エル・プリメロ」になります。筆者も「エル・プリメロ」=「クロノグラフ」と言う固定概念があり、三針時計に「エル・プリメロ」は抵抗感があったのも事実です。しかしこれはゼニスの「遊び心」、「魅せるポイント」だと筆者は解釈しています。そしてこの「遊び心」こそ、ここ数年のゼニスの勢いの秘訣なのかも知れません。
ブランドの公式発表は「1969年のデファイ」のリバイバルとしています。しかしこの「スカイライン」は単なる復刻だけに留めていません。ブランドのDNAはしっかりと継承しつつ、大胆に最新の技術を採用しています。
マテリアル(素材)の選択は英断!
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ゼニスの中でデファイというモデルは「近未来的な時計造りの急先鋒」というイメージでした。実際これまでデファイは新素材(カーボンやセラミック)を積極的に採用しています。少し前にスカイラインと似通ったブルーカラーの製品として、「デファイ・クラシック」というTi(チタン)モデルがありました。しかし今回のスカイラインはケース素材をステンレスへと回帰させています。
スカイラインがステンレスに回帰した理由は間違いなくチタンの高騰が原因です。世界で紛争危機が高まりますと、各ブランドはチタンを採用した製品を値上げもしくは素材を変更しています。もし、ここ数年の紛争危機が無ければスカイラインもチタンを採用した可能性が高いです。Goroはステンレス信者ゆえ、スカイラインにステンレスが採用された事は素直に嬉しいものがありました。
重量が160g以下のモデルにチタンを採用するのは賛同できません。好みもあるでしょうが、重量が増すクロノグラフや深海用ダイバーズウォッチ以外はチタンを採用しても価格が上がるだけで、メリットは少ないと考えます。むしろ鉄の持つ機械的性能(強さや硬さ)とコスト、双方の優位性を再認識することが重要です。軽くて硬い、チタンの魅力は捨てがたいものがあります。しかしチタンの製造には、鉄の約10倍のコストがかかる事を忘れてはいけません。
リーズナブルな価格のデファイ・スカイライン!値上げしないで!
ステンレス信者である筆者にしてみればこのスカイラインはステンレスが持つ質感(重厚感と艶)を最大限に引き出した製品である事は間違いありません。クールでスタイリッシュな外観を作り出すにはマットな質感を持つチタンよりもステンレス鋼が最適だと信じています。さらにステンレスを採用した事で、価格を抑える事ができた事は最大の功績です。
現在ヨーロッパの正規価格は8300€、円換算で約114万円なので、国内正規価格(約96万円 2023年3月は107万円にUP)と比べかなりの割安感があります。ゼニスの他のモデルと比べると使えるシーンが多く重宝しそうです。筆者としては販売価格の据え置きを心より願っています。また発売当初こそ品薄でしたが、今は在庫も公式オンラインを見る限り落ち着いているので、購入を検討している人にとっては絶好のタイミングです。
価格以上の質を備えたデファイ・スカイラインが評価されるべき
ここ数年高級腕時計市場はコロナ禍の影響もあって「相場高騰」、「入手困難」という言葉が常に付いてまわりました。しかし、「相場バブル崩壊」と「生産量の回復」によってやっと全てが正常に戻ってきた気がします。とはいえ、日本国内は円安の影響ゆえ、いつ値上げするかわからない「値上げ時限爆弾」の恐怖に僕らは日々怯えているのが現状です。実際ゼニスもこの2023年1月に新たに発表したスカイラインの36㎜モデルは107万円なので、近い内の値上げが予想されます。
そういう意味では2023年1月の今が、このスカイライン購入のチャンスかも知れませんね。是非ブティックか正規店でスカイラインを見てください。もし店舗さんで実機レビューのご協力できる方いらっしゃれば声をかけてください。