腕時計ビギナーが腕時計ベルトの素材を何にするか?これは意外と悩みの種!と僕は思います。僕もこれまで、レザーを試してみたり、メタルにしてみたりの試行錯誤を繰り返した時期がありました。今日はそれぞれの素材の特性を説明して、皆さんの悩みを解決していきましょう。
ベルトはストラップ、メタルはブレスレットが正しい表現!
まず「ベルト」ですが、時計業界では「ストラップ」が正しい呼び名です。「ベルト」でも意味は通じますが、時計専門誌は例外なく「ストラップ」と表現します。またメタル(金属)製のベルトも「ブレスレット」が正しい呼び名です。
これらの用語も覚えておくと実際に時計店で、店員さんとスムーズな商談ができます。
2019年頃より「ブレスレット」がメインストリーム
ここ数年ほど、腕時計ベルトの主流は「ブレスレット」です。これは2010年から2020年にかけて、「ラグジュアリースポーツ」というカテゴリーの腕時計が、人気急上昇したことによります。この「ラグジュアリースポーツ」、通称ラグスポには全て「ブレスレット」が装着されています。
このラグスポのブレスレットはステンレス製が大半で、耐久性と耐水性に優れており、中国を初めとするアジア圏での人気が上昇中です。
日本市場でもそれは同じ。高温多湿な気候で、夏場はレザーストラップだと汗でレザーが痛む要因となり、夏場を考慮してブレスレットタイプの時計を選ぶ人も多いことでしょう。
その他の要因としては人気ブランドの影響も大きいはずです。世界中で最も人気あるブランドと言えば、ロレックス。このブランドはスポーツモデルが多く、ブレスレットに拘った時計造りをしてきています。
僕の考えとして、ロレックスは時計の防水性を1930年代から探求してきた、ブランドゆえにブレスレット・モデルを多くリリースしてきたのでしょう。僕の過去記事。
その他の要因では各ブランドのブレスレット製作加工技術(工作機械)の向上です。これにより質の高いブレスレットを大量に低価格で製造することが実現、市場のブレスレット需要を満たせた事も見逃せません。
このような背景から、2017年頃より腕時計市場はステンレス製のブレスレットが主流となっています。特に2019年発表の各社の新作ではブレスレットを採用した、ラグスポの秀作が多くリリースされました。
ファッション性を重視するなら、レザーストラップという選択もあり
しかし、時計によりファッション性を求める人にはむしろ、レザーストラップがおすすめです。レザーストラップの良いところは時計をエレガントに演出できるところにあります。ステンレス製のブレスレットだと、どうしてもスポーティな印象が拭えません。
レザーストラップはレザーの柄も多彩、そしてカラフルです。レザー素材は牛革もあれば、クロコダイル革、ゴート(山羊)さらに低価格を求めるなら合成皮革だってあります。
ブレスレットはさまざまな服装との相性は良いと言われますが、ディテールに拘ったファッションを追及したい人はレザーストラップを選び、シーンに合わせてブレスレットと併用するのもおすすめです。
最先端を求めるなら、NATOストラップもアリ!
最先端のファッションを追いかけたい人にはNATOストラップもおすすめです。ここ数年キャンバス地にカラフルな色を配した、ストラップがスイス時計ブランド各社から多く発表されています。
主にパイロットウォッチやダイバーズウォッチにNATOストラップを採用するブランドが多く、名前がNATO(北大西洋条約機構)を連想する人も多いことでしょう。
このNATOストラップを初めて採用したのはオメガ社で、その歴史は古く1948年に同社が英国軍へ時計(シーマスター)を納入した時が始まりです。当初はオメガ社だけが採用していましたが、最近になってチューダー社がも主力製品である「ブラックベイ」に採用してスイスブランドでも人気アイテムとなっています。
ただし、チューダー社はNATOストラップを「ファブリック・ストラップ」と呼んでいます。これはOMEGAからのクレーム対策でしょうか?もしかしたら、同社のリーガル・チームからアドバイスがあったかも知れません。
オメガは2015年公開の映画007シリーズ「007スペクター」で主演のダニエル・グレイグがこのNATOストラップをつけてスクリーンへ登場しています。
もともとはミリタリー用品として採用されたこのNATOストラップは装着のスムーズさ、耐久性の高さ、戦闘時に壊れない(外れない)工夫が随所に施されていました。しかし近年は見た目の良さ(ファッション性)が重宝されて各社採用しているようですね。
まとめ
腕時計ビギナーが最初に購入する時計は、耐久性の高さとさまざまなファッションとの相性の良さで、僕はまず、ブレスレットをおすすめします。
そして、2本目以降からはレザーストラップも選択肢に含めるのがグッドチョイスと考えます。ベルトに悩んだ時はブレスレットを第一候補として、時計選びを進めてください。