こんにちはGoroです。円安が続き、日本国内で腕時計を購入するのはかなり難しいものになっています。個人的に重要視する事は、時計の資産価値ばかりに目を向けない事です。純粋に価格を見極めると時計の販売価格は適正化に向かうと考えます。では、販売価格に見合った腕時計、ブランドはどこなのか、詳しく紹介していきます。


インフレと高級時計市場

画像Unsplash:世界経済が、腕時計相場にも影響を与えるようになった?

2019年後半から始まったコロナ禍で、当時筆者は時計価格は暴落すると思っていました。ロックダウンによる経済活動の低迷によって、時計が売れなくなる筈。結果は皆さんご存知の通り、時計価格は高騰しました。

この原因は様々な理由があると思います。一番の大きな要因は、アメリカ市場での時計人気の高まりが大きいと時計界では言われています。統計的に見ても、中国市場の高級時計市場が冷え込む中、スイスからの輸出高で首位になったのはアメリカなのです。

アメリカ人が急に時計好きになった訳では無く、州や政府から支給された補助金が、時計市場に向かった説が有力になります。コロナ禍も収束して、ここ1年ほどは時計相場も落着きを取り戻してきました。

さらに追い打ちを掛けるように円安が進行して、日本での正規販売価格も上昇します。これまでは年に1回程度の価格改定が、半年、3ヶ月間隔で改定されるようになったのです。高級時計の販売価格は100万円が当たり前の時代に突入したと思わせる日々が続きました。

Tudorの魅力

Tudor Black Bay Fifty-Eight:上品なブルーが好み!

先日筆者が見てきた、写真のTudorはそんな時計価格の高騰を受けながらも、大半のラインナップが70万円以下に抑えられている事が特徴です。そしてロレックスの技術や品質を同社もシェアしている事にもあります。

Tudorは自身をRolexのディフュージョン(Diffusion)ブランドとして、Rolexの技術と品質を拡大するブランドとして1926年に設立されました。

Rolexは設立当初より、高い品質と技術に拘ってきたブランドだったにも関わらず、今の時代と違い、ブランド認知度に苦しんできました。そこでRolexの販路拡大の手段として1926年に設立されました。

1926年2月、腕時計ディーラーでメーカーでもある「ヴーヴ ドゥ フィリップ ヒュンター」がハンス・ウイルスドルフの代理で「The TUDOR(チューダー)」を商標登録した。その後、ジュネーブで会社を設立、ハンス・ウイルスドルフは独占的使用権を取得した。

Tudor公式HPの記事を抜粋

販路とRolexの持つ高い技術を広めたいという思いもあっての事だったそうです。

Rolexの技術と品質

Submarinerは、ダイバーズウォッチをメジャーにした貢献者 画像Unsplash

20世紀初頭より、防水時計の開発に積極的だったRolex社の高い技術と品質を受け継いでTudorも同様に高いものがありました。そして同じSubmariner」 と呼ぶ製品を両社共に投入していたのです。

これはRolexがSubmariner(サブマリーナー)を 世に送り出した直後の1954年から続いており、創業者も同じで資本関係もあるブランドゆえ、技術もシェアしているので信頼性もあります。



リーズナブルな価格

当時のRolexの販売価格は高価だったため、Tudorはリーズナブルな価格設定をしていました。しかし、リーズナブルな価格にも関わらずRolexと共通の部品や技術も共有していた事で、時計としての品質は優れていました。

Tudor Black Bay Fifty-Eightの魅力

Tudor Black Bay Fifty-Eight:風防が少しドーム型になっている点も好感が持てる

筆者が考えるTudorの好きなモデルはTudor Black Bay Fifty-Eightです。このモデルの魅力を徹底的に解説していきます。

Tudor Black Bay Fifty-Eightの絶妙なサイズ感

Tudor Black Bay Fifty-Eightはダイバーズウオッチで、ブランドによると、1950年代のダイバーズウォッチの系譜を継承したモデルとされています。筆者は特に39㎜に抑えたケースサイズに好感を持っています。

そしてブランドもこのサイズ感を大切にしているようです。そして全体的なデザインは少しヴィンテージ風に仕上げていますが、逆にこれが、時代を超えても引き継がれるアイコニックなデザインとして後世へと継承されています。

当時は33ミリ前後の時計が多い中、ダイバーズウォッチゆえに視認性を高めるため、当時としては大型化したと考えられます。しかしその後ダイバーズウォッチは41ミリ以と大型化して、結果的にこのサイズはダイバーズウォッチとしては小型で、ここ数年の時計のケースサイズの小型化とも相まって、今日まで至っていると考えられます。

Tudor Black Bay Fifty-Eightスペック比較

  Black Bay Fifty-Eight M79030B-001 Rolex Submariner 124060
ケースサイズ 39㎜ 41㎜
ケース素材 316Lステンレス 904Lステンレス
ベゼル素材 スチール製アルマイト セラミック
パワーリザーブ 70時間 70時間
防水機能 200M 300M
ムーブメント MT5402 Cal3230
販売価格(税込み) ¥561,000 ¥1,318,900
Tudor Black Bay Fifty-EightとSubmariner 124060の比較表 注意販売価格2024年5月時点

特筆すべき点としては、販売価格は両社の間に2倍以上の開きがある事です。Tudor Black Bay Fifty-Eightがここまでコストを抑えられている理由は、ケース素材のステンレスの違いにあります。

316Lステンレス鋼は医療用ステンレスとして実績がある鋼です。それに対して904Lステンレスは比較的レアなステンレスになります。日本国内の業界団体であるステンレス協会のHPにも316Lは掲載されていますが、904Lは掲載されていません。

904Lは316Lと比較すると白色であることから、近年腕時計用として採用するブランドが増加していることが特徴です。またモリブデンなどのレアアースが多く含有されている事から、間違いなく、316Lより高価なステンレスになります。

しかし、316Lが腕時計用素材として相応しくないことは、決してありません。

むしろこれまでの使用実績を考慮すると316Lの方が高く、ブランドにも鋼材メーカーにも多くの実績やデーターが蓄積されている事から、316Lの方がステンレスとしての信頼性は高いと考えます。

使うシーンで考えた場合、販売価格が高すぎるとダメ!

画像Unsplashより イメージ

上の比較表を見れば、ケース素材とベゼル素材では間違いなくSubmarinerの方が上です。しかしコストも含めた実用性で考えるTudor Black Bay Fifty-Eightは消費者の立場に向き合っていると言えます。

一番重要な事は購入しようとする時計をどのようなシーンで使うかでしょう。普段使いの時計なのか、フォーマルなシーンで使うかなどです。ビジネスか?スポーツか?

普段使いの時計を検討する時、販売価格は購入を決定する重要な要素になります。普段使いする時計が高価なモノだと、そもそも使うのに躊躇するのが自然です。結局高すぎる時計は時計は、相応しいシーンを考えて使わないとクローゼットの肥やしになります。

高いだけで腕時計を買う時代の終焉

近年腕時計を投資対象と見る風潮があり、時計相場は高騰しました。しかし、そんな時代は終焉したと筆者は考えます。販売価格とコスト(素材と工程)を厳しく見つめ、自身のライフスタイルと照らし合わせて、購入候補の時計が適正かどうかを判断する事が重要です。

販売価格が高いだけで購入すると、結局最後に損切りでの売却になる可能性もあります。これからの時代はむしろ販売価格が50万円前後のブランドでも吟味すると掘り出し物の腕時計が見つかるかも知れません。

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