こんにちはGoroです。筆者は欧州サッカーが大好きで、ロンドンの現地時間を日本に居ながら、気にしています。実は腕時計には異なる二地域の時刻を瞬時に示す腕時計があり、これを使えば海外旅行、趣味に活用できるのです。どんな時計か、気になる価格帯やブランドも含めて腕時計ビギナーの皆さんへ紹介します。

 

ワールドタイマー、GMTとは

 

一般的に異なる2つ以上の地域の時間を示す腕時計の機能としては「GMT」と「ワールドタイマー(ワールドタイム)」が有名です。その中でも圧倒的に多いのが「GMT」になります。

 

ワールドタイマー GMT  GMTマスター

 

 

「GMT」はロレックスが1950年代に長距離旅客機用の支給品として製造したGMTマスター」が有名で、24時間針を加えそれによって長距離飛行中の昼夜が判別できるようにした物です。初期のGMTマスターは単なる24時間針でベゼルを操作する事でもう一つの地域の時間設定を行なっていました。

 

その後多くのブランドでこの手法(GMT)は模倣されて、近年はGMT針を単独で操作できる機能を備えたモデルが多くなっています。この機能によって海外旅行の際は通常の時計を目的地に合わせた後、GMT針を出発地に合わせるとスムーズな時刻確認が可能です。もちろん逆に「目的地」、通常の時計を「出発地」に設定しても問題はありません。

 

筆者が最近見たブライトリングのナビタイマーも単独でGMT針を操作できるモデルになります。この時計は防水性も高め、ダイバーズウォッチ的な使い方もできる実用性の良さが魅力です。

 

GMT  GMTマスター ブライトリング
ブライトリングのナビタイマーオートマティックGMT40。GMTが付いて防水性は200Mとダイバーウォッチ並の性能を持つ。

一方のワールドタイマー(ワールドタイム)は1930から40年代にかけて、ヴァシュロン・コンスタンタンやパテック・フィリップで初めて採用されています。特に有名なのがパテック・フィリップの「ワールドタイム」です。

 

ワールドタイムはブランドからわかるように高級機で、複雑時計になります。ご存知の方も居るかも知れませんがパテック・フィリップのワールドタイムはプッシュボタンの操作ひとつだけで、時刻合わせが一瞬でできる優れた時計です。

 

ボタンを押すことでダイアル外周の都市名を記載した円盤が回転する事で、都市名の下に示されている時刻から、現地時間(ローカルタイム)を確認できるのです。

 

一目でわかるワールドタイマー、究極時刻合わせは不要?

 

 

ワールドタイマー フレデリックコンスタント

ワールドタイマーは腕時計に興味の無い人が見ても即座に世界時計と理解できます。文字盤外周上に記載された各国の都市名で、時間の読み取りは都市名を探し当てれば、都市が示す時刻が現地時間(ローカルタイム)だと理解できるからです。

 

ワールドタイマーは基本的(モデルによって異なる)に「12時の位置にある都市」が標準時刻(針が示す時刻)です。

 

つまり東京(Tokyo)を12時に位置に設定して時刻合わせをすると、それ以外の都市名の位置が示す時間帯が現地時間(ローカルタイム)となります。

 

都市名が表記されているため、GMTのように現地時刻(ローカルタイム)を調べる必要は無く、目的地の都市名がわかれば、時刻調整は簡単です。仮に旅行で東京からロンドンへ向う場合、ヒースロー空港へ到着した瞬間に12時の位置にロンドン(London)をプッシュボタン(もしくはリューズ)で操作するだけです。

 

東京の現地時間は都市名の「Tokyo」を探し出せば、すぐにわかるようになっています。またズボラな人は無理に時刻調整する必要はありません。ロンドン滞在中でも出発地である東京の時刻をそのままで、分針だけ読み取り、ロンドン時間は都市名の下の時間帯だけを確認すれば良いのです。

 

慣れたら簡単、GMTはプロユースな腕時計

 

一方、GMT機能は時刻調整をするにあたって目的地の現地時間(もしくは時差)を事前に知る事が不可欠です。

ワールドタイマー GMT  GMTマスター パイロット 旅客機
現代の旅客機のコクピット。1950年代のコクピットはもう少し薄暗く、3人の乗員がいたため、狭かった。

 

元々パイロット向けに開発した時計ゆえワールドタイマーのように都市名が予め記載されている物は使い勝手が良くありません。

 

これは目的地の都市名が24都市だけにおさまるはずが無いからです。長距離飛行では、出発地と目的地の時刻さえわかれば良いので、シンプルなデザインの方が瞬時に時刻を読み取れる利点があります。

 

ワールドタイマーはほとんどのモデルに24都市名が記載されています。これは1日が24時間なのである意味こうせざる得ないのでしょう。代表的な都市は記載されていますが、例えば東南アジアだとシンガポールや台北、マニラは表記されていません。

 

仮に羽田を起点とするパイロットがワールドタイマーを使う事を想定した時、この表記されていない都市がある事でフライトに影響する事は無いと思います。しかしプロユース時計である事を考えた場合、やはりシンプルなダイアルの方が視認性が良くフライト時には適していると素人ながら想像します。

 

GMTとワールドタイマーはどちらが良いのか?

オメガシーマスターワールドタイマー。150万円代で購入できる、手に届くワールドタイマー

 

さて、結局海外旅行に持っていくとした場合どちらが良いのでしょう。筆者は購入時び選択肢の多さで言えば「GMT」、時計を楽しみたい人には「ワールドタイマー」をお勧めしたいです。ただ、難点としてあげるなら基本ワールドタイマーは部品数が多いコンプリケーションウォッチ(複雑時計)です。それゆえに防水性や耐久性に関していえば弱いと言えます。(一部モデルを除く)

 

GMTは数も多く、値段もワールドタイマーと比較すると低価格なので、お財布への優しさでもGMTに軍配が上がると考えています。

 

またムーブメントもワールドタイマーと比較すると部品数が少なく、耐久性ではGMTが上回るはずです。とはいえ最近はワールドタイマーでも40万円から50万円程度で購入できるブランドも存在します。最近Goroが見つけたフレデリック・コンスタントワールドタイマーはまさにその価格帯です。

 

更にオメガが2023年夏に発表したシーマスターのワールドタイマーは防水性に優れており販売価格も140万円代になります。

ここに全てのブランドのワールドタイマーを挙げれば良いのですが、それは不可能なのでChrono24のリンクを貼っておきますので参考にしてください。

 

このリンクのモデルからわかるのは、リューズが一つしか無いワールドタイマーなら手の届く価格帯かもしれません。


パテック・フィリップワールドタイムは簡単に購入できる価格帯ではありませんが、是非チャンスがあれば欲しいモデルです。やはり時計を楽しむGoroはワールドタイマーを選びたいと考えます。

 

ワールドタイマーGMT、どちらの腕時計も旅の楽しみを高揚、もしくはワクワク感を演出してくれる小道具と言えるです。

 

目的地への想いを抱き、現地へ着いた時リュウズ操作をどのようにするか?現地時間はどちらにするかという事も普段であればさほど気になるものではありません。

 

しかし旅行であれば、普段の何気無い時計操作もより旅の楽しみを増幅させてくれます。ぜひ旅行のお供にビギナーの方でもワールドタイマーGMTどちらかを持って、出発ロビーへ向かってください。

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