こんにちはGoroです。先日知人から、「なぜ時計買取店の買取価格は安いの?時計相場が暴落しているから?」と質問されました。もちろん、世界的な腕時計価格の暴落は、腕時計買取相場に影響はあります。しかし、そもそもビジネスで時計の売買を行っている業者は、僕らが考えている希望価格での買取は期待できません。その理由を紹介します。
腕時計買取相場の謎解き、価値と相場の違いに迫る!
さて、一般的に腕時計の場合、「高い?安い?」と言った場合、引き合いに出されるのが腕時計の価値です。ところが腕時計の価値=(イコール)、買取店の買取相場ではありません。あくまでも腕時計の価値は英語でいうvalueです。オークションで言う評価額(estimate price)であって、その時計の人気が上昇傾向であれば評価額以上で取引され、下降基調であれば評価額以下での取引になります。
腕時計情報が溢れる現代では腕時計の価値を調べる事は難しいことではありません。一番簡単な手法はインターネットで特定モデルの型番をGoogleに入力し、ショッピングをクリックすれば、ネット上で購入できるモデル価格が表示されます。同様に様々な比較サイトで検索すれば、グラフや折れ線グラフで価格の推移まで表示して貰えるのです。現行品価格はメーカーサイトにアクセスすれば全て知る事ができます。また海外の正規価格も簡単に検索する事が可能です。
しかし、人によっては腕時計の価値の基準になる販売価格を買取相場と誤解している事も見逃せません。これは腕時計の販売が正規店や並行輸入店、また買取店でも販売していることがその理由だと推測しています。
腕時計買取相場は「価値から仕入れ」が引かれる!
一部の人は誤解していますが、そもそも腕時計を転売して儲かるのはゼロではありませんが、ほとんど儲かる事はありません。筆者の過去記事でも触れていますが、前提として買取業者は慈善事業ではなくビジネスです。買取業者はビジネスをする上での経費分を考慮して買取相場を設定しています。例を挙げると50万円で仕入れた腕時計を100万円で店頭で売れたとしても業者の利益はゼロです。
なぜ?と思う人も多いでしょう。一度でもスモールビジネスの経験がある人はご存知でしょうが、100万で売れたとしても、50万の売却差額は即仕入れに回さないといけないからです。店頭に商品を陳列するために再び50万で仕入れをすれば利益は無くなります。メルカリであれば50万の利益でも、ビジネスでは売れても必ず仕入れをしないといけません。売れたからといってその差額を仕入れに使わないで、他の費用に回すとたちどころにビジネスは頓挫します。
一般的に買取店のような物販ビジネスでは仕入れ価格は15〜20%前後で無いと難しいと言われます。買取店では仕入れ以外でも店舗の家賃、人件費、光熱費などが経費として必要です。それらの要素から考えた時、仮に価値が100万の腕時計だと、買取相場は20万円前後で無いといけません。中古店で100万で売られている腕時計は仕入れ(買取)価格はその前後なのです。
ただ例外はロレックスのスポーツモデルで、売れる回転が早いため、買取相場はもう少し高いと言われています。
腕時計買取相場を知るためには、情報収集が重要!
さて、冒頭に書いた筆者の知人のようにならないためには、正確な「腕時計情報の収集」が必要です。腕時計の価値はインターネットを駆使すれば調べる事ができます。Goroが一番おすすめするのはchrono24のサイトになります。
chrono24は彼らの取引データから「時計の価値」を算出している事が特徴です。この価値を知れば前述した時計の価値から仕入れ額(=買取額)をある程度計算する事ができます。
腕時計買取相場の決定権は最終的にはお店にある!
とはいえ、世界的な腕時計の価値を知ったとしてもお店には関係ありません。「仕入れは一円でも安く」がビジネスの鉄則です。交渉して買取価格をあげるのも良いですが、買取店の台所事情は彼らにしかわかりません。無駄な交渉をして上がるとは到底思えません。
価値を知ってお店を回り、その数値にできるだけ近い買取店を探すのが最善の方法です。もしできるだけ本当に高く売りたいなら自分自身でchrono24に出品して気長に売れるのを待つのも良い方法だと思います。
そう、買取店を利用するなら多少値段が安い事は覚悟して行くべきです。買取では儲からないと理解して買取店に行きましょう。