腕時計ビギナーの皆さんは腕時計をいくつ所有するかで、悩んだことはありませんか?多くの時計を所有する方が良い事だけは理解できるはず。しかし具体的にいくつ所有できれば、あらゆる場面で対応できるか?。これまで300以上の記事をネット上へアップしてきたGoroの経験に基づく「ベストな腕時計の数」を今回特別に紹介します。
ベーシックウォッチとスポーツウォッチ、2つあれば全シーンで対応できる
さて、以前書いた記事では複数必要と曖昧な表現になっていました。実際に腕時計をいきなり5個も6個も購入することは、腕時計ビギナーの皆さん、上級者でも勇気が必要です。そこで、僕は腕時計は最低2つ所有することを皆さんへおすすめします。
しかしただ数(2つ)だけ揃えれば良い訳ではありません。ベーシックウォッチとスポーツウォッチの2つを用意することがポイントです。ではなぜ、ベーシックウォッチとスポーツウォッチがあると良いのか?それぞれ説明しましょう。
ベーシックウォッチの強み
写真1:僕の私物Tissot Ballad
ベーシックウォッチは別名シンプルウォッチ、クラシックウォッチとも呼ばれます。ケースの形状はラウンド(円形)、時針、分針、秒針の3つの針から成る時計です。
写真1のアップ写真
このベーシックウォッチの優れている点は飽きの来ないシンプルなデザインと、腕時計本来の良さをミニマルに凝縮していることにあります。いわゆる腕時計の定番です。
時計専門誌クロノスのWEB版では、2020年がベーシックウォッチの当たり年と結論づけています。これは各ブランドの普遍的なデザインが再評価された事と、時計自体の実用性がアップしたことも大きいと僕は感じました。
最新のベーシックウォッチにはロングリザーブと耐磁性能が備えられている
「ベーシック」で伝統的なデザインだけを継承するのでは無く、ディテールをアップグレードする。2020年各社はベーシックウォッチにも一定以上の実用性を備え、成功へと導きました。特に外から見えないムーブメントの部品に最新テクノロジーを注ぎ、ベーシックウォッチの完成度を高めたのです。
例えば機械式時計のパワーリザーブは(駆動時間)60~70時間以上にアップされています。これにより計算上では2日間時計を使わなくても、3日目の朝、時計が止まっていることはありません。
さらにパワーリザーブと併せて耐磁機能アップも各ブランドは尽力しました。
PCやスマホを始めとするエレクトロニクス製品が溢れる現代社会では腕時計にも耐磁性能は必須です。スマホに時計を近づけるなというのも無理があります。
耐磁の 種類 | JIS保証水準 | 内容 |
非耐磁 時計 | 1,600A/m | 1990年までの輸出検査で行われていた基準値。耐磁時計以外でも基本的に満たされるレベル。 |
第1種 耐磁時計 | 4,800A/m | 磁気に5㎝まで近づけてもほとんどの場合性能を維持できるレベル。 |
第2種 耐磁時計 | 16,000A/m | 磁気に1㎝まで近づけてもほとんどの場合性能を維持できるレベル。 |
一般社団法人日本時計協会では腕時計の耐磁性能は「非耐磁時計」、「第1種耐磁時計」、「第2種耐磁時計」の3つに分類しています。内容は上の表を参照してください。
この基準はJISにも規定されており、JISはISO(国際標準化機構)とも必ず規格を対応させており、この耐磁機能も第1種、第2種ともに対応させています。ということは、耐磁性能ありとする時計は最低でも上の表の第1種耐磁時計以上の機能が備わっているはずです。
参考:1600A/mはISO規格では20ガウスに相当。(1A/m=0.0125ガウス)第2種耐磁時計で、200ガウス。
最新の機械式腕時計にはシリコン部品を採用しています。これにより耐磁機能の向上とロングパワーリザーブを両立させて、外見は優しく中身はパワフルに腕時計の性能アップをさせています。
写真1のバラードも耐磁機能があってパワーリザーブは80時間あるベーシックウォッチです。(耐磁数値は非公開)
スポーツウォッチの強み
写真2:僕の私物Tissot Seastar-1000 JAPAN LIMITED
次にスポーツウォッチ、これはクロノグラフやダイバーズウォッチが該当します。僕のイチ押しが、ダイバーズウォッチです。理由はまず逆回転防止ベゼル!。
逆回転ベゼルを備える事で、時計にアクセントをもたらしケースも大型となり存在感とファッション性がアップします。僕はこの逆回転防止ベゼルを「簡易ストップウォッチ」として重宝しています。その操作は簡単で、直観的にわかる、使い勝手が良さも特徴です。
ショッピングモールでの無料駐車時間枠の計測、冷蔵庫のフリーザーでビールを急速冷凍する時にベゼルを現在時刻にセットするだけで、計測ができ、日々の生活で役立ちます。
何より高い防水性を誇るダイバーズウォッチは日常生活で水を全く苦にしません。洗い物も時計をつけたまま、水を被っても平気です。
同じスポーツウォッチのクロノグラフはどうしてもプッシュボタン操作があるため防水性の面で心配。また耐久性も部品数が多く、ダイバーズウォッチと比較した場合その差は明らかです。
耐磁機能もダイバーズウォッチはJIS規格(ISOと同じ)で第2種耐磁時計が義務付けられているため磁気帯びの心配もほぼ要りません。
ルーティンやターンオーバーで楽しむ
さて僕はベーシックウォッチは出勤用時計として、ダイバーズウォッチは休日に付けることをルーティン化しています。僕はルーティン化によってメリハリをつけ、自分自身のモチベーションアップにつなげています。
これは人により、さまざまでしょう。お決まりじゃつまらないという人はルーティンのターンオーバーもおすすめです。
僕も基本気まぐれな人間です。毎回お決まりでは飽きます。気分や服のコーディネートによってルーティーンを変えてつけていく時計をターンオーバーする時もあります。
特に40代以下の若い人は毎回同じ時計をしていると同僚や部下に気づかれることもあります。腕時計だってファッションアイテムのひとつです。服装同様に日々の腕時計にも配慮しましょう。
ベーシックウォッチとスポーツウォッチの2つ持ちをすることで、最強のコーディネートが実現可能です。また2つ時計があれば、ひとつが故障しても慌てる事なく「腕時計ロス」の無い日常を過ごせます。
まとめ
靴にしろ、服にしろどんなに良い物を身に着けても、毎日同じ物を着けていると、痛みも早くなります。身につける物は複数で使い分ける方が長持ちします。これは腕時計も同じです。2つ時計を持てば、日常生活を快適に過ごせます。
ベーシックウォッチとスポーツウォッチ2つ持ちで、腕時計ライフを楽しんでください。